世界水泳inバルセロナ
梅雨も明け本格的な猛暑になってきた今日この頃。水泳の季節がやってきた。
知っている水泳選手と聞いてまず頭に浮かぶのは?多くの人が北島康介選手の名をあげるだろう。2004年のアテネオリンピック、男子100メートル平泳ぎで1分00秒08というタイムをだし金メダルを獲得。レース後のインタビューで「チョー気持ちいい」とコメントした姿はみなさんも覚えているだろう。2008年北京オリンピックでは男子100メートル平泳ぎで、人類史上初、59秒の壁を破る58秒91の世界新記録で金メダルを獲得。「世界記録を出し、金メダルを獲得する」という試合前の予告をその通りに果たした。男子100メートル平泳ぎの大会2連覇は世界初、平泳ぎの同一種目の大会連覇は日本人としては鶴田義行以来76年ぶりのことである。この時のインタビューでは、アテネオリンピックの金メダル獲得時のインタビューとは一転、緊張感・責任感から解き放たれたのか、涙をこらえきれず、絞り出すような声で「何も言えねえ」というコメントを残し、日本中に感動を与えた。近年ではロンドンオリンピック男子400メートルメドレーリレーで銀メダル獲得。北島選手は第2泳者として58秒64で泳ぎ、アメリカのブレンダン・ハンセンを抜き2位から1位へと押し上げる会心の泳ぎを見せて有終の美を飾った。レース後のインタビューでバタフライの松田丈志が「康介さんには言ってなかったんですけど、3人で康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかないぞと話していました」と長年日本競泳界を引っ張ってきた北島に対する後輩達の思いを語ったこのシーンに心打たれた方も多いはずだ。そんな数々の感動を与えてきた水泳日本チーム。
そこで今回は7月20日から8月4日まで行われる世界水泳に注目してみた。まず世界水泳とは2013年にスペインのバルセロナで開催される第15回世界水泳選手権のことである。近年は2年に1回のペースで行われている。
2011年の第14回世界水泳選手権では日本チームが獲得したメダルは、銀4個、銅2個の計6個だった。金メダルを1つも取れなかったことに選手たちは悔しい思いをしたはずだ。ぜひとも今大会ではメダルの色にこだわって欲しいと思う。
そこで今回の世界水泳に出場する選手の中で私は一人の選手に注目してみた。
萩野公介選手である。1994年8月15日生まれ。ロンドンオリンピック400m個人メドレーの銅メダリストである。
あまり聞きなれない名前かも知れない。そこで近年の彼の活躍を紹介してみよう。
2012年に行われた、第88回日本選手権水泳競技大会初日の男子400m個人メドレーに出場し4分10秒26の日本新記録(高校日本新記録)をマークし、この種目でのロンドンオリンピック日本代表に決定した。男子の競泳で高校生でのオリンピック出場はシドニーオリンピックの北島康介選手以来となった。そのロンドンオリンピックでは予選から4分10秒01をマークし決勝に進出。決勝では記録を大幅に更新し4分08秒94のタイムでマイケル・フェルプスに競り勝ち、3位に入り男子個人メドレー種目では日本人選手で初、高校生選手では56年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。
2013年4月11日、ダイエープロビスフェニックスプールで行われた第89回日本選手権水泳競技大会の男子400m個人メドレー決勝で、4分7秒61の日本新記録を出して優勝。その2日後の4月13日には、男子200m個人メドレーでも1分55秒74の日本新記録で優勝。男子200m自由形、男子100m背泳ぎ、男子400m自由形とあわせ、日本選手権水泳競技大会史上初の五冠を達成した。こうした活躍ぶりから「水の申し子」、または本人が目標としていることから、「和製フェルプス」と呼ばれている。今回の世界水泳では最大で8種目に出場する予定だ。彼は18歳と若いが非常にメンタルが強く、プレッシャーも感じないという。とても頼もしい選手であり、メダルを獲得することも間違いないだろう。
経済学部3年 西田衡生