▼新疆ウイグル自治区は中国の西北端に位置し、中国総面積の約6分の1を占める。
▼モンゴル、ロシア、インドなど多くの国と国境を接しており、その国境線は全長5600kmである(全国陸地国境線の約4分の1)。15の通関地が対外開放されており、近年国境貿易は急速に発展している。
▼改革・開放以来、新疆は大きな発展を遂げたが、いぜん沿海地区との格差は大きく、新疆をより発展させるにはまず交通することが急務とされている。
現在、対ロシア貿易が徐々に拡大する国境貿易。今後はハイテク型の輸出品が増えることが望まれている。
▼2002年1月、中国の地質調査関係者は最近、乾燥したタリム盆地の北側の端で、超大型の「地下ダム」を発見。地下水の年間補給量は10億m3、地下水貯蔵量は360億m3で、建設中の長江三峡ダム(貯水量が396億m3)に匹敵する。
▼2002年6月13日、新疆油田公司所属の陸梁油田(00年6月発見)、このほど原油日産3000トンを越える。彩南、石西油田に続き、ジュンガル盆地にまた1つ、年産100万トンの整装(油層が1つになっている)砂漠油田が誕生。
▼2002年7月、中国最長の天然ガス輸送パイプライン、「新疆-上海パイプライン」(4000km)の建設工事が着工した。2005年春に完成する予定。1016mmという大口経のパイプラインを使用するため、大量の天然ガスを西部から東部へ輸送することが可能となる。(【西気東送】と呼ばれている)
▼2002年7月7日、新疆タリム盆地の天然ガス探査の結果、01年末現在の確認埋蔵量は5267億m3で、西気東輸パイプライン建設の資源が用意される。
▼2002年10月4日、新疆ウイグルのタクラマカン砂漠のチャルチャン県と塔中油田第1油井を結ぶ中国第2の砂漠道路(全長117.39km)、正式に開通。
▼2003年ウルムチで開かれた中国人民政治協商会議(政協)第9期新疆委員会第1回会議で、各委員から中央アジア・西アジア諸国との貿易をさらに拡大すべきであるとの提案が出された。このような意見が出る背景には、中央政府がテロや民族独立を警戒するあまり新疆とイスラム諸国との関係強化に消極的であることへの強い不満があるものと推測される。
▼2003年カラマイが中国西部の主要な石油化学工業基地としての地位を固めつつある。同地方は中華人民共和国成立後に開発された最初の大油田として知られている。産油量は20年以上安定した伸びを続け、連続10年以上中国の陸上油田の第4位を占めてきた。 |
現在、カラマイ−独山子(マイタグ)石油化学産業経済ベルトを建設中で、今後、重要な石油化学工業基地の一つとなる。また、中国石油天然ガス集団公司は同地で次の3大プロジェクトを推進中である。 |
@カザフスタンから原油を輸入するためのパイプラインの敷設 |
A製油所の拡張工事 |
Bエチレン工場の拡張整備 |
|
▼2004年1月29日、携帯電話メーカーの北京首信と新疆移動通信はウイグル語使用可能な初の携帯電話を発売した。この携帯電話は中国語、英語、に加えてウイグル語の操作機能を付けて3種の言語を自由に転換でき、ウイグル語でメールの送受信も可能である。
▼2004年4月から日本国際協力銀行の融資を利用した節水灌漑事業が次々と着工した。工事の主な内容は用水路の漏水防止改良、散水灌漑、滴下灌漑、低圧パイプ灌漑、動力井戸掘削など。
▼2004年5月、全日空旅行部や阪急交通旅行社など日本の旅行社14社は、NHKが再度制作放映を予定している「新シルクロード」ブームを予期して、現地へ視察した。視察団はウルムチに到着すると、新疆生産建設兵団の観光企業との協力を話し合い、「新シルクロード」のルートを実施調査した。
▼2004年5月、本区とタジキスタンの国境地区で初の陸路国境貿易港であるカラスー貿易港が開設された。これで本区の1類開港場は計17となった。カシュガル地区タシュクルガン・タジク自治県に位置する同貿易港はカシュガルから236km離れた地点にあり、中国とタジキスタン間の物資流通などの重要な窓口の役割を担うこととなった。
▼2004年6月、中国南方航空新疆公司はウルムチ−カシュガル−イスラマバード(パキスタン首都)の航空路を開設した。同路線は冬季にカシュガルからクンジュラブ峠に至る国境が閉鎖されるために新設された。従来からあるウルムチ−イスラマバード線も現在週2便から4便に増加した。
▼2004年9月1日、西部地区最大の総合的商談会であるウルムチ対外経済貿易商談会が開幕した。ロシア、フランス、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、アフガニスタン、香港、台湾などから1千人を越えるバイヤーが集まり、上海や広東を含む15の省・自治区・直轄市の経済貿易代表団と企業数百社も参加。9日間の会期中に、対外経済・貿易契約額26億800万ドル、国内取引・提携協力契約額507億元の成果を得て、9日に閉幕した。
▼2005年4月、西北最大のオートショー「第5回新疆国際自動車工業博覧会」が、ウルムチの華凌国際博覧センターで開幕された。国内外の500社余りが出展し、展示面積は6万uに及んだ。オートショーには、メルセデス・ベンツ、上海フォルクスワーゲン(VW)、北京現代、上海ゼネラル・モーターズ(GM)、広州本田などの車が登場した。(※2004年の第4回では、その成約額は2億4000万元にも達した。
▼2005年5月中旬、カシュガルで「第1回カシュガル南・中央アジア商品交易会」が開催された。10数ヶ国の4300人余りの業者が参加し、成約額26億元に達した。同交易会はカシュガルが「南・中央アジア経済圏の重心」となるための重要なイベント。今回はパキスタンやキルギス、タジキスタンなどの代表団が政府高官とともに参加し、今後双方の経済的結びつきがより強化されつつある。
▼2005年6月5日から9日末まで、ウルムチ−ソウルを結ぶ大韓航空の定期便が運行される。水曜と木曜に双方の間を各1往復する。ソウルからウルムチに向かう往路の所要時間は4時間25分、復路は4時間56分。北京を経由する場合と比べて、5〜6時間短縮できる。
▼2005年7月、「第1回新疆外資誘致商談会」がウルムチで開幕された。ウルムチ市政府と自治区開発改革委員会が主催する国際的投資・貿易経済協力などの商談会。本区は、現在中国が進める西部開発戦略の重点地域の一つでもあるため、積極的に外資の誘致を進めている。今回はロシア、カザフスタン、韓国、米国、オーストラリア、パキスタンなど13ヵ国と地域の政府職員や企業代表者が参加して経済交流を行った。
▼2005年9月30日、中国の国家重点プロジェクトの一つである。ウルムチから蘭州に至る原油・石油製品パイプライン(全長1858km)の本体工事が竣工した。
▼2005年11月初め、アクス地区のバイ県で埋蔵量145億トンという超大型の岩塩鉱床が発見された。バイ県の西南およそ500kmに位置し、さらに同県の西北部でも埋蔵量1億4226万トンの岩塩鉱床が発見された。アクス地区ではこれまで22箇所発見されており、うち5箇所が大型鉱床である。
▼2003年2月24日午前10時頃、カシュガル地区のマラルウェシ県でマグニチュード6.8の地震があった。239人が死亡、重傷者が2000人を越える大惨事となった。
▼2003年タリム油田に到るタクラマカン砂漠道路(全長520km、95年開通)は流動砂漠の中を走る道路であるために、どうしても道路を守る保護林が必要となる。中国科学院新疆生態・地理研究所と蘭州寒帯乾燥地区環境・工程研究所は以下の保護林建設プランを立てた。 |
保護林の総延長436km、総投資額2億2000万元、工期は3年(二期)。第一期(03〜04年)では229kmの保護林を建造する予定。なお地下塩水灌漑に耐えうる植物を10年に及ぶ実験と研究している。(01年に30.8kmの実験林が完成) |
|
▼2003年バイティク山のカザフ族の牧場に中国最大の太陽光発電所が完成した。以前最大のチベットのアムド地区のもの(出力10万ボルト)を抜き、15万ボルトの設備が整った。
|