Material Cycle Oriented Society 環境技術で地球を守ろう!

産業・地域・環境保護交流協会(MCOS)

 
 
四川省 貴州省 雲南省 青海省 甘粛省 陝西省
重慶直轄市 内モンゴル自治区 新疆ウイグル自治区 広西チワン族自治区 チベット自治区 寧夏回族自治区
 
新疆ウイグル(新疆維吾尓)自治区
 

1、新疆の概況

面積 166万平方キロメートル
人口 2010万人(少数民族59.39%)
省都 ウルムチ(人口186万、市部178万)
主要都市 ルムチ、トルファン、ハミなど
GDP 2609億元(25位)
一人当たりGDP 1万1199元(13位)
工業総生産 933億元(22位)
都市住民所得 8100元(28位)
農村住民純収入 2482元(25位)
 

【中国年鑑2006】より

【資源】
▲鉱産資源には、石炭、鉄鉱石(の鉱石)、マンガンクロム、亜鉛など100種類以上あり、べリリウムリチウム白雲母チリ硝石長石陶土蛇紋岩などの埋蔵量は全国第1位である。石油の産出量は全国第3位である。
▲タリム、ジュンガル、トルファン・ハミの三大盆地などの石油生産は今後の中国石油産業の最も期待する地域の一つでもある。40近い石油と天然ガスの採掘地が存在し、その推定埋蔵量は中国の陸上油田の約3分の1を占めるともみられている。推定埋蔵量は石油が85億6000万トン、天然ガスが2兆1000億立方メートルである。
 
【産業】
●主要なものはオアシス農業、牧畜業そして豊富な鉱物資源の採掘、石油化学などの工業である。なかでも近年の油田開発は注目されている。
●2000年6月、ジュンガル盆地で年産100万トン級の陸梁油田が新たに発見された。盆地全体の原油生産量は1000万トンを越え、天然ガスは20億立方メートルに達するという。さらに11月にも、1億トン級の油田が2ヶ所発見された。
●化学、機械、建材、冶金、紡績、食品、皮革などが盛んである。
●農業では、オアシス農耕による綿花(全国1位)のほか、甜菜(1位)、ブドウ(1位)、ハミ瓜などの栽培が盛んである。
 
【交通】
▼国が積極的に投資を西部地域に傾斜する政策と伴に、30の重点建設プロジェクトも順調に進展している。過去5年間に中央政府の援助した固定資産投資総額は113億元に達した。その大部分はインフラ建設に使われた。北疆鉄道をはじめ、他の省・自治区と結ぶ鉄道が続々と完成・複線化工事の完工した。航空、道路、通信などのインフラも整備されつつある。
▼ウルムチからカザフスタンとの国境の町アラ峠までの北疆鉄道はすでに運行している。94年9月に全線開通した第2のユーラシア・ランド・ブリッジ(中国−中央アジア−ヨーロッパ、全長1.1万km)の一部である。またイラン−トルクメニスタン間の鉄道がつながれば、連雲港からイスタンブール間がつながり、現代の鉄道版シルクロードが誕生する。
▼道路では、ウルムチを中心に北部工業地帯で一部高速道路の建設が始まり、空路も順調に整備が進んでいる。
▼今後の新たな石油産業の基地となるタリム盆地のコルラを結ぶ南疆鉄道は原油輸送と南部地区の経済開発に大いなる役割を担っている。
 

<拡大地図>

【観光】
  ▽高昌古城・交河古城など
  ▽モスク・エイティガール寺院
   
   
   
   
   
   
 
【名産】
  綿花
  絨毯
  甘草
  ◎ブドウ・ワイン
  ◎ハミ瓜
  (ぎょく)
 
2、投資環境 ※以下の内容は、各中国年鑑および関連資料に沿って作成したものである。

▼新疆ウイグル自治区は中国の西北端に位置し、中国総面積の約6分の1を占める。

▼モンゴル、ロシア、インドなど多くの国と国境を接しており、その国境線は全長5600kmである(全国陸地国境線の約4分の1)。15の通関地が対外開放されており、近年国境貿易は急速に発展している。

▼改革・開放以来、新疆は大きな発展を遂げたが、いぜん沿海地区との格差は大きく、新疆をより発展させるにはまず交通することが急務とされている。 現在、対ロシア貿易が徐々に拡大する国境貿易。今後はハイテク型の輸出品が増えることが望まれている。

20021月、中国の地質調査関係者は最近、乾燥したタリム盆地の北側の端で、超大型の「地下ダム」を発見。地下水の年間補給量は10m3、地下水貯蔵量は360m3で、建設中の長江三峡ダム(貯水量が396m3)に匹敵する。

▼2002613日、新疆油田公司所属の陸梁油田(006月発見)、このほど原油日産3000トンを越える。彩南、石西油田に続き、ジュンガル盆地にまた1つ、年産100万トンの整装(油層が1つになっている)砂漠油田が誕生。

▼2002年7月、中国最長の天然ガス輸送パイプライン、「新疆-上海パイプライン」(4000km)の建設工事が着工した。2005年春に完成する予定。1016mmという大口経のパイプラインを使用するため、大量の天然ガスを西部から東部へ輸送することが可能となる。(【西気東送】と呼ばれている)

200277日、新疆タリム盆地の天然ガス探査の結果、01年末現在の確認埋蔵量は5267m3で、西気東輸パイプライン建設の資源が用意される。

2002104日、新疆ウイグルのタクラマカン砂漠のチャルチャン県と塔中油田第1油井を結ぶ中国第2の砂漠道路(全長117.39km)、正式に開通。

▼2003年ウルムチで開かれた中国人民政治協商会議(政協)第9期新疆委員会第1回会議で、各委員から中央アジア・西アジア諸国との貿易をさらに拡大すべきであるとの提案が出された。このような意見が出る背景には、中央政府がテロや民族独立を警戒するあまり新疆とイスラム諸国との関係強化に消極的であることへの強い不満があるものと推測される。

▼2003年カラマイが中国西部の主要な石油化学工業基地としての地位を固めつつある。同地方は中華人民共和国成立後に開発された最初の大油田として知られている。産油量は20年以上安定した伸びを続け、連続10年以上中国の陸上油田の第4位を占めてきた。
 現在、カラマイ−独山子(マイタグ)石油化学産業経済ベルトを建設中で、今後、重要な石油化学工業基地の一つとなる。また、中国石油天然ガス集団公司は同地で次の3大プロジェクトを推進中である。
@カザフスタンから原油を輸入するためのパイプラインの敷設
A製油所の拡張工事
Bエチレン工場の拡張整備

▼2004年1月29日、携帯電話メーカーの北京首信と新疆移動通信はウイグル語使用可能な初の携帯電話を発売した。この携帯電話は中国語、英語、に加えてウイグル語の操作機能を付けて3種の言語を自由に転換でき、ウイグル語でメールの送受信も可能である。

▼2004年4月から日本国際協力銀行の融資を利用した節水灌漑事業が次々と着工した。工事の主な内容は用水路の漏水防止改良、散水灌漑、滴下灌漑、低圧パイプ灌漑、動力井戸掘削など。

▼2004年5月、全日空旅行部や阪急交通旅行社など日本の旅行社14社は、NHKが再度制作放映を予定している「新シルクロード」ブームを予期して、現地へ視察した。視察団はウルムチに到着すると、新疆生産建設兵団の観光企業との協力を話し合い、「新シルクロード」のルートを実施調査した。

▼2004年5月、本区とタジキスタンの国境地区で初の陸路国境貿易港であるカラスー貿易港が開設された。これで本区の1類開港場は計17となった。カシュガル地区タシュクルガン・タジク自治県に位置する同貿易港はカシュガルから236km離れた地点にあり、中国とタジキスタン間の物資流通などの重要な窓口の役割を担うこととなった。

▼2004年6月、中国南方航空新疆公司はウルムチ−カシュガル−イスラマバード(パキスタン首都)の航空路を開設した。同路線は冬季にカシュガルからクンジュラブ峠に至る国境が閉鎖されるために新設された。従来からあるウルムチ−イスラマバード線も現在週2便から4便に増加した。

▼2004年9月1日、西部地区最大の総合的商談会であるウルムチ対外経済貿易商談会が開幕した。ロシア、フランス、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、アフガニスタン、香港、台湾などから1千人を越えるバイヤーが集まり、上海や広東を含む15の省・自治区・直轄市の経済貿易代表団と企業数百社も参加。9日間の会期中に、対外経済・貿易契約額26億800万ドル、国内取引・提携協力契約額507億元の成果を得て、9日に閉幕した。

▼2005年4月、西北最大のオートショー「第5回新疆国際自動車工業博覧会」が、ウルムチの華凌国際博覧センターで開幕された。国内外の500社余りが出展し、展示面積は6万uに及んだ。オートショーには、メルセデス・ベンツ、上海フォルクスワーゲン(VW)、北京現代、上海ゼネラル・モーターズ(GM)、広州本田などの車が登場した。(※2004年の第4回では、その成約額は2億4000万元にも達した。

▼2005年5月中旬、カシュガルで「第1回カシュガル南・中央アジア商品交易会」が開催された。10数ヶ国の4300人余りの業者が参加し、成約額26億元に達した。同交易会はカシュガルが「南・中央アジア経済圏の重心」となるための重要なイベント。今回はパキスタンやキルギス、タジキスタンなどの代表団が政府高官とともに参加し、今後双方の経済的結びつきがより強化されつつある。

▼2005年6月5日から9日末まで、ウルムチ−ソウルを結ぶ大韓航空の定期便が運行される。水曜と木曜に双方の間を各1往復する。ソウルからウルムチに向かう往路の所要時間は4時間25分、復路は4時間56分。北京を経由する場合と比べて、5〜6時間短縮できる。

▼2005年7月、「第1回新疆外資誘致商談会」がウルムチで開幕された。ウルムチ市政府と自治区開発改革委員会が主催する国際的投資・貿易経済協力などの商談会。本区は、現在中国が進める西部開発戦略の重点地域の一つでもあるため、積極的に外資の誘致を進めている。今回はロシア、カザフスタン、韓国、米国、オーストラリア、パキスタンなど13ヵ国と地域の政府職員や企業代表者が参加して経済交流を行った。

▼2005年9月30日、中国の国家重点プロジェクトの一つである。ウルムチから蘭州に至る原油・石油製品パイプライン(全長1858km)の本体工事が竣工した。

▼2005年11月初め、アクス地区のバイ県で埋蔵量145億トンという超大型の岩塩鉱床が発見された。バイ県の西南およそ500kmに位置し、さらに同県の西北部でも埋蔵量1億4226万トンの岩塩鉱床が発見された。アクス地区ではこれまで22箇所発見されており、うち5箇所が大型鉱床である。


▼2003年2月24日午前10時頃、カシュガル地区のマラルウェシ県でマグニチュード6.8の地震があった。239人が死亡、重傷者が2000人を越える大惨事となった。

▼2003年タリム油田に到るタクラマカン砂漠道路(全長520km、95年開通)は流動砂漠の中を走る道路であるために、どうしても道路を守る保護林が必要となる。中国科学院新疆生態・地理研究所と蘭州寒帯乾燥地区環境・工程研究所は以下の保護林建設プランを立てた。
保護林の総延長436km、総投資額2億2000万元、工期は3年(二期)。第一期(03〜04年)では229kmの保護林を建造する予定。なお地下塩水灌漑に耐えうる植物を10年に及ぶ実験と研究している。(01年に30.8kmの実験林が完成)

▼2003年バイティク山のカザフ族の牧場に中国最大の太陽光発電所が完成した。以前最大のチベットのアムド地区のもの(出力10万ボルト)を抜き、15万ボルトの設備が整った。

 

 
☆今後最も注目される投資分野☆
●都市部のガス供給、配水管網の建設・経営(大中都市では中国側が主導権を持つ)
天然ガス石炭などの化学工業
●節水・灌漑農業技術
●農地を林地や草地に戻す事業など、生態保護業
べリリウムリチウム白雲母チリ硝石長石陶土蛇紋岩などの加工業
石炭、鉄鉱石(の鉱石)、マンガンクロム亜鉛などの加工業
エチレンの化学工業
●ブドウ酒(ワイン)の加工製造業
甜菜の加工業
●天然香料、食品菌の栽培・加工業
●綿子(綿の種子)、向日葵紅花油脂などの加工生産業
亜麻などの栽培・加工生産業
●高級皮革製品の加工業
●高級綿毛製品の加工業
●牛や羊などの内臓を原料として生物医薬品の開発業
●ウイグル民族の医薬品開発業
●ウイグル民族の美術品、ガラス製造、包装容器の生産業
●運送事業
●観光地の開発及び施設建設・経営
以上は『指導外資投資方向規定』より作成された。2002年2月、『指導外資投資方向規定』(国務院令第346号)公布した。主要の目的とは、西部大開発戦略をより実際に実施させ、より多く外資系企業からの技術・設備を西部地区へ導入するため に実施したものである。従って減税免税や中国国内銀行からの融資など可能である。(分野によって異なる)
 
関連資料
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【書名】西域の貌―SILK ROAD (大型本)
【作者】長倉 洋海 
【出版日】2006/12
【出版社】山と溪谷社

 

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  【書名】タクラマカン―シルクロードのオアシス (単行本)
【作者】萩野矢 慶記 
【出版日】2006/08
【出版社】東邦出版

 

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