▼チベット自治区は中国の総面積の8分の1を占め、ヒマラヤ、崑崙、タングラの各山脈に囲まれチベット(青蔵)高原を中心に平均海抜4000m以上に達し、“世界の屋根”と呼ばれている。
▼経済的に立ち後れているが、80年代に入り新たな民族政策によって、農牧業の自営化、インフラへの投資、国境交易などが活発化した。近年の改革・開放政策に伴う中国政府の援助や交通網の整備などによって自治区全体はますます経済的発展を遂げ、開発ブームさえみられるようになった。
▼全国が支援する62件のプロジェクトのうち、シェンザ発電所、マンラ水利センター、ウォーカー級発電所、マチャラ炭坑など工事が進行している。
インフラの整備や経済開発も徐々に行われている。なかでも重点プロジェクトの建設が順調に進んでいる。
▼2003年青蔵(青海・チベット)鉄道各区間の工事がそれぞれ進捗した。 |
⇒ 5月、ラサ川に架ける特大橋の建設工事が開始
(全長918.55m) |
⇒ 6月29日、世界最高標高のタングラ駅の建設が開始 |
⇒ 10月12日午前10時50分、同鉄道最長の羊八井1号トンネルが貫通した。 |
⇒ またチュシュ−ナガルズェ区間の鉄道改良工事も進み、チベットで3番目のニンチ空港の建設も4月に始まった。 |
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1月から10月までの観光客は約90万人(前年同期比6.8%増)に達した。この20年間、チベットの観光収入は大幅に増加しており、本自治区のGDPの6%を占めるまでなっている。 |
▼2004年チベット自治区鉱物資源探鉱開発局は、同区の銅資源埋蔵量が全国の3分の1ないしは2分の1を占めることを明らかにした。鉱床は主にヤルツァンポ江、ラサ川などの地域、自治区東部の三江地域(金沙江、瀾滄江、怒江)などに集中する。
▼2004年6月15日、区都ラサと国内各地を結ぶ航空運賃が13%〜18%引き上げられた。同措置は中国民間航空総局と国家発展改革委員会が4月に発表した「国内航空運賃改革案」の価格調整の範囲内による規定に従って行われた。
▼2005年4月29日、サラとネパール首都のカトマンズを結ぶ直行便バスの運行が開始された。中国とネパールが調印した協定によると、双方が運行する直行便は月8便で、所要時間は48時間(途中で一泊)、価格は70ドル。ラサで発売される乗車券は人民元でも購入することができる。この中国ネパール道路は、チベット高原唯一の国際道路である。
▼発電所の建設、森林伐採、核廃棄物の放置などによってチベット高原の自然破壊も進んでいる。
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