西部大開発のような中長期的なプロジェクトにおいては、政府を主要なアクターとして、非政府レベルでの環境、エネルギー開発、インフラ整備といったプロジェクトを促進する基盤となる体制を作ることが望ましい。
経済、エネルギー、環境など、問題は複合的で重層的なものとなっている。環境、エネルギーなど、幅広い分野での協力
(※右の表)が必要となる。
さらに中国政府は、西部大開発計画において、日本、および韓国からの積極的な投資を望んでいる。より経済的結びつきの規模の大きい日中間では、西部への投資環境の整備を補助することは、将来的な市場の確保といった面で、両国にとって大きな利益となる可能性が高い。
2年連続で開催された西部開発セミナーには世界の有名企業や大企業など500社以上も参加し、その中にはAPECメンバーの企業も多数含まれている。
2003年、西部開発において新たに着工した14件のプロジェクトの総投資額は1300億元を越えた。
世界トップ500企業中100社近くが同プロジェクトに投資した。昨年の西部地域におけるGDP成長率は前年同期比10.7%増、固定資産投資額は同40.8%増となり、2000年からの高成長を維持している。
西部大開発戦略の実施以来、青蔵(青海−チベット)鉄道、「西気東輸(西のガスを東に送る)」、「西電東送(西の電力を東へ送る)」などの重点プロジェクトを全面的に着工してきたと発表。
さらに、2001から過去3年で着工したプロジェクトは36件、投資規模は6000億元以上、2002年末までにすでに2000億元を投入している。そして、外資投入額は75億ドルに達している。
今年上半期(1-6月)の西部地域におけるGDP(域内総生産)成長率は前年同期比10.7%増、固定資産投資額は同40.8%増となり、2000年からの高成長を維持している。
昨年の同地域の貿易総額は前年比22.3%増。都市住民の可処分所得と農民の純収入も程度は異なるものの、それぞれ増加傾向にあるという。
2002年2月、『指導外資投資方向規定』(国務院令第346号)公布された。主要の目的とは、西部大開発戦略をより実際に実施させ、より多く外資系企業からの技術・設備を西部地区へ導入するため
に実施したものである。従って減税免税や中国国内銀行からの融資など可能である。(※分野によって異なる)
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ーーーーー【最近の動き】ーーーーー
▼2002年7月6日、西部大開発プロジェクトの10大重点プロジェクトの1つ、蘭州−成都・重慶間石油パイプライン敷設工事がこのほど全線完成。全長1249.9kmで、甘粛、陝西、四川、重慶の20県(市)、区を通る。総工費は40億元近く、年間の輸送能力は500万トン。
▼2002年6月17日、西部大開発高級フォーラム(〜19日、西安。)梁定邦中国証券監督管理委員会主席顧問、李若谷中国人民銀行総裁補佐も参加。
▼2002年5月22日、江沢民主席、四川省で党建設と西部大開発を調査研究。
▼2004年1月1〜4日、黄菊副首相が西部大開発について貴州省を視察した。
▼2004年3月26日、寧夏回族自治区中衛市。西部大開発のシンボル的プロジェクトの一つである「黄河沙坡頭水利センター(ダム)」の最初の発電機が稼動。
▼2004年4月9〜13日、胡錦濤総書記が陝西省で西部大開発や三農問題の解決などについて視察。
▼2004年7月7日、西南6省1市(チベット、四川、雲南、貴州、広西、重慶、成都)経済協調会19回会議で、西部大開発の重点分野について協議を行い、協力を進めていく。 |