第3章 前幕

神宮球場に徳山大学の横断幕が掲げられる

『人間(じんかん)万事塞翁が馬』という諺があります。ご存知かと思いますが少し説明をいたしましょう。

塞翁が馬 (大昔中国前漢時代での話) 語源由来辞典引用

 塞の国のある翁(老人)は、何よりも自分の馬をかわいがっていた。その馬は、周りからも評判が立つほどの駿馬であったが、ある日突然、蜂に刺された拍子に飛び出してしまう。一向に帰ってこない馬の様子に、周りからは翁に同情するほどであったが、翁は「これがきっかけでいいことが起こるかもしれない」とだけ言って、我慢強く待ち続けた。するとどうだろうか。しばらくして、その馬が別の白い馬をつれ帰ってきたのである。しかも、その馬も負けず劣らずの優駿であり、周りの者は口々に何と幸運なことかと囃し立てたが、翁は「これをきっかけで、別の悪いことが起こるかもしれない」と自分を戒め、決して喜ばなかった。

 その予感は的中した。かわいがっていた孫がその白馬から落ちて片足を挫いてしまったのである。周りはまた同じように慰めの言葉を掛けたが、翁はまた同様に「いいことの前兆かもしれない」と告げる。それからしばらくして、隣国との戦争が勃発した。若い男は皆、戦争に借り出され、そして戦死した。だが、孫は怪我をしていたため、徴兵されず命拾いした。そして、戦争も終わり、翁は孫たちと一緒に末永く幸せに暮らしたという。

 このことから、人間(じんかん:世の中)は良いこともあれば悪いこともあるというたとえとなり、だから、あまり不幸にくよくよするな、とか幸せに浮かれるなという教訓として生かされる言葉になった。

類義句は「禍福は糾える縄の如し」。

人生楽ありゃ苦もあるさ~のフレーズ、ご存知水戸黄門の主題歌にもあるのです。

これを野球に例えるならば、

『一喜一憂するな。いついかなる時も冷静に現状を認識し、その後の事に対し的確に判断しろ』ではなかろうか?

そんな事を考えながら、明日を目指して頑張ろう。

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