【麻】あさ

 

 @クワ科の一年草。中央アジアの原産と考えられるが、日本への渡来も古く、古代から、重要な繊維原植物として栽培。高さ1〜3メートル。茎は四角柱で細毛がつく。葉は掌状に三〜九裂し、各片は細長く、先がとがり、縁には鋸歯がある。雌雄異株で、夏、淡黄緑色の雄花と、緑色の雌花が咲く。実は「おのみ」と呼ばれ、灰色の卵円形で食用となるほか油をとる。インド産のものは麻酔性物質を多く含む。茎の皮から繊維をとり、布や糸、綱などとする。また、皮をはいだ残りの茎は「おがら」と呼ばれ、懐炉灰の原料、わら屋根の下ぶきなどのほか、お盆の「迎え火、送り火」としてたくのに用いる。《季・夏》
 A大麻のほか、亜麻、苧麻(ちょま)、黄麻(こうま)、マニラ麻、ニュージーランド麻など植物からとれる強靱な有用繊維の多くの種類をさす総称的な呼び名。また、それらの原植物の名。

麻の衣(きぬ・ころも) 
1 麻布の衣。麻織りのそまつな着物。
2 服喪の時に着る麻の白い御服。喪服。あさぎぬ。あさのころも。あさのみそ。

 
【国語大辞典】