【燐酸】りんさん
 

 1 五酸化燐が水と結合してできる酸の総称。両者の割合によって、オルト燐酸・メタ燐酸・ピロ燐酸・三燐酸がある。
 2 オルト燐酸の通称。化学式 H3PO4 無色の結晶、または無色シロップ状の液体。潮解性があり、熱濃溶液はガラス、陶器を侵す。肥料、医薬品などに広く用いられる。

▼りんさん‐えん【燐酸塩】 燐酸の塩。正塩のほか燐酸水素塩、燐酸二水素塩がある。一般に無色の結晶。
▼りんさん‐カルシウム【燐酸カルシウム】 カルシウムの燐酸塩。白色粉末。化学式 Ca3(PO4)2 動物の骨の主成分。天然には弗素あるいは塩素との複塩として産する。燐酸石灰。
▼りんさん‐コデイン【燐酸コデイン】 アヘンアルカロイドの一つ、コデインの燐酸塩。化学式 C18H21NO3・H3PO4・1.5H2O 白色の針状結晶または結晶性粉末。苦味があり水溶性。麻薬・劇薬、鎮咳・鎮静剤などに用いる。
▼りんさん‐せっかい(‥セキクヮイ)【燐酸石灰】 「りんさんカルシウム(燐酸―)の」別名。
▼りんさん‐ひりょう(‥ヒレウ)【燐酸肥料】 燐酸を多量に含む肥料。過燐酸石灰、燐酸アンモニウム、トーマス燐肥、骨灰、油かすなど。燐肥。
 
【国語大辞典】