フェノール(ドイツPhenol)
 

 @ベンゼンの水素原子一個と水酸基を置換した化合物。臭気のある無色の結晶。分子式 C6H5OH 石炭乾留によって得られるコールタールから分留された酸性物質で、石炭酸ともいわれる。ナイロン、染料、サリチル酸、ピクリン酸などの原料で、消毒剤・殺菌剤ともされる。
 A=フェノールるい(―類)

▼フェノール‐じゅし【フェノール樹脂】 フェノール類とアルデヒドから出得られる樹脂。フェノールホルムアルデヒド樹脂が代表的。難燃性で、機械強度が高く、電気および熱の絶縁性、耐水・耐化学薬品性などにすぐれ、成型品、電気部品、接着剤に広く使用。石炭酸樹脂。
▼フェノール‐フタレーン (ドイツPhenolphthalein)〈フェノルフターレン〉無水フタル酸とフェノールからつくられる白色結晶。化学式は C20H14O4 酸塩基指示薬の一つ。pH 八〜一〇を境に塩基性側で赤色、酸性側で無色。指示薬として広く用いられる。カドミウムや金の検出剤、医薬品用。
▼フェノール‐るい【フェノール類】 ベンゼン環その他芳香族環と直接結合している水素原子を水酸基と置き換えた化合物の総称。フェノール、クレゾール、ハイドロキノン、ナフトールなど。
 
【国語大辞典】