〜〜〜 山口県エコキャンパス取組促進協議会・臼井恵次会長と面会  〜〜〜

 

   
臼井恵次(農学博士)
宇部フロンティア大学 教授
山口県エコキャンパス取組促進協議会 会長
山口県技術アドバイザー、環境アドバイザー
Cear登録 環境審査員補(A8685)

 

     
時間:2005年8月26日(金曜日) 14:00    
場所:宇部フロンティア大学短期大学部    
     
 今日、我々は宇部フロンティア大学短期大学部を訪ね、山口県エコキャンパス取組促進協議会・会長である臼井恵次教授とお会いしました。(以下は主な面談内容です。)

Q:「山口県エコキャンパス取組促進協議会」(以降は“エコキャンパス協議会”と呼ぶ)、目的は何ですか?どのような取組対策が実施されていましたか?

臼井先生:エコキャンパス協議会は、山口県の新規プロジェクトの一つであり、県内11個の大学(2004年現在)によって形成されました。その目的が大きくわけて二つあります。一つは大学におけるごみの減量化やリサイクルの推進等、環境に配慮した取組を促進すること、もう一つは大学間の連携、学生と地域との交流を発展させることです。昨年10月5日山口県県庁で第一回「エコキャンパス協議会」が開かれました。しかし、県内各大学は環境保全に対する認識がそれぞれ、大学内でのエコ活動の必要性が十分に理解していない大学も多々あります。

 一回目のエコキャンパス協議会の効果が期待より遥かに遅れていますが、その中でもいくつの大学が成果を果たしました。例えば、宇部フロンティア大学は『Dish Return Project』を実施し、大学祭で使い捨ての皿ではなく何度も使える食器を使い、「ごみゼロ祭」を目指しています。山口県立大学では、廃棄物を8分別に分け回収したり、大学祭で使い捨ての食器を廃止したりしています。さらに2004年で『環境マネジメント論』も開催されました。その他にも、食堂から出た生ゴミを堆肥処理にしようとする大学などもあります。環境への取組が少しずつ前へ進んでいます。。

Q:宇部フロンティア大学はISO14001認証を取得ましたが、“ISO14001”とは何ですか?

臼井先生:ISOとは“International Organization for Standardization”の略号で、日本語に訳すと「国際標準化機構」という意味です。ISOの規格には工業製品の規格も存在します。身近なものとしては、「写真用フィルム感度(ISO100・ISO400)」、「ISOネジ」などがあります。現在機械、化学、鉄鋼、自動車、建築、情報処理などの多分野で標準化を進め、すでに12000件を超える規格が発行されている。ISO14001規格はその中の一つです。

 「ISO14001とは利害関係者・社会のニーズにより、環境保全及び汚染の予防を実現するための環境マネジメントシステム」の規格です。

 

 
 

 

 

 

上:中村有美さん

下:臼井恵次先生

(先生の研究室で撮影。2005.08.26)

Q:宇部フロンティア大学はなぜISO14001認証を取得しようとしたのですか?

臼井先生:現在日本の産業界をはじめ、全国ISO14001認証を取得した件数は13819件です(2004年2月現在)。全世界で見ると二位の中国(5064件)を遥かに超え、堂々に世界の一位です。一方、企業にとっても、ISO14001認証の取得はこれから世界競争へ欠かせない“武器”とも呼ばれています。企業の環境マネジメントシステム作りや、管理人材、そして審査員などがますます必要となってきます。

 そこで、宇部フロンティア大学も自分自身の競争力を高め、このような人材を大学から育成しようと思いました。学長をはじめ、教員達も動き出しました。ISO14001認証を取得するには、まず「PDCA」管理制度を導入することにしました。「PDCA」とは“Plan(目標を設定し『実行計画』を作成する)、Do(『実行計画』通りに実行する)、Check(実行した『結果』と『目標』を対比し、未達成時に原因を分析する)、Act(原因を踏まえて、達成するための対策を立案し実行する)”という「目標必達システム」です。そして学校全体でごみ生成量を調査し、データ化しました。定期的にチェック・記録していました。活動の中でも理解してくれない、協力してくれない教員もいましたが、一年間をかけて様々な困難を乗り越え、2004年3月にISO14001認証を取得しました。

 なかなか大変でしたが、やり甲斐があってよかったと思います。これからは更に県内の各大学にも呼びかけようと思っています。

・・・ ・・・(略)

 面会が終わった後、臼井先生が実験室を見せてくれました。更に4年の中村有美さんを紹介してくれました。中村さんが様々な環境保全活動に参加し、学内でも「グリーングリーン」というサークルの担当を勤めています。更に現在、火山灰を炭の代わりに水を浄化させる実験研究のプロジェクトを行なっています。


 新しい仲間たちができて本当に嬉しく思います。今後も、各大学でどんどん学生ネットワークを広げるように我々もがんばってきます。

leon